根管治療がらみでよく見受けられる問題点

問題点①

神経(歯髄)をとるべきか?残すべきか?

歯髄 は健康な歯髄であれば、当然残すべきですが、壊死が始まってしまっている場合は、のちの問題を避けるために逆に取り除かねばなりません。

歯髄炎には、二つあり、適切な治療で健常に戻る場合と、何をしようと結局は徐々に悪く(壊死)なっていく場合です。問題はこの線引き、見極め、鑑別が簡単ではないことです。ゆえにこの見極めは専門医に委ねた方が間違いがないと思います。

問題点②

治療できないので抜歯した方がいい? 専門医なら保存(治療)可能?

抜歯かどうか、の判断は、一般に歯科医師により、かなり異なります。

歯髄の治療が専門的であることはすでに述べましたが、歯髄の治療そのものを諦めている一般歯科医であれば歯髄治療となった段階ですぐ抜歯という判断をする場合も極端にはあるようです。

インプラント専門医は実は残せそうな歯でも抜歯してインプラントを推奨する傾向もあるようです。

我々のような歯内療法専門医は、一般的には、根管治療の全ての治療オプションが、失敗に終わるまでは抜歯の判断は保留すべきであると考えます。

問題点③

症状 痛み 違和感 腫れ 膿 が取れない

根管治療の結果の良否に、専門医とそうでない歯科医との間に、明確に差があります。だから欧米では専門医制度、専門医チャージがあるのです。

専門医でない歯科医が治療してうまくいかなくても、専門医が治療したら、臨床上の問題が解決することは普通に多くあることです。

問題点④

膿の袋が大きいので抜歯した方がいいといわれた

根尖部のレントゲン透過像(黒い影)が大きい場合、一般に膿の袋が大きいという説明をされる歯科医がいます。専門医は根尖病変が大きいという言い方をします。病変サイズ大きい場合は、そうでない場合よりも、根管の感染が強い(汚染が大)かつ患者さんの免疫応答も強いと判断します。大きい病変だろうと、小さい病変だろうと根管の汚染、感染がとれれば普通に治癒します。大きいから治らないので抜歯ということはありません。

問題点⑤

数ヶ月通院しているが治療が進まない

上記の問題点③(症状、痛み、違和感、腫れ膿が取れない)と同様ですが時間がかかることには、手技の技術の問題と臨床判断、つまり診断力の問題があると思われます。いずれも熟練の専門医で解決できることが多いと思われます。

問題点⑥

器具が折れこんでいて取り除けない

根管治療器具の折れ込みが起きることがあります。

撤去する、しない、の判断や撤去の技術的問題、総合的な歯牙の保存の観点で、この問題の解決はかなり専門的であるので、熟練の専門医に委ねた方が良いと思われます。

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